リス族のお正月
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タイのリス族のお正月はほぼ旧暦のお正月に行うようですが、リス族の暦上のいくつかの決まりがあり、それをクリアした日を長老が決定するようです。ですので、「行ってみたら終わっていた。」「行ってみたらまだだった。」はよくあるパターンです。もちろんリス族の祭り(難しく言うとアニミズムの儀式。簡単に言うと正月に神社に初詣に行く日本人みたいなもの。)であって、観光客に見せるための行事ではありませんから、観光客の身分である私にとっては「いたってテキトーな決め方。」といった印象です。
もちろんまだまだ「部外者立ち入り禁止」のリス族村も残っていますから、「山民族の慣習を熟知した、その民族の言葉をしゃべれる−もしくはタイ語が堪能な人。」と同行することは必須です。リス族にはリス族の掟(法)があり、タイの法律も時に治外法権的になる場合もあります。
私達が訪れたドイワーウィーにあるこのリス族村はかなりオープンな村でかつ、友達つながりの方の住むリス族村だったので、すいぶんもてなしていただけ、ラッキーでした。
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このリス族は アニミズムのためか見物客は少ない(仏教やキリスト教には邪教扱いされます)
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リス族の 男は若者だけパリッと民族衣装。やっぱりオヤジは古今東西身なりを気にしない!?
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大晦日
未舗装の道をえんえんと丸一日(観光しながらですが)ガイドも迷いつつ、ようやく大晦日の夕方にリス族村に着くと、トヨタの4WDのミッションがお亡くなりになる。そのリス族村の人曰く、坂がキツくてトヨタの4WD以外は登れないとのことで、旅行代理店が用意してくれた一番良い状態の車でわざわざ来たのだが・・・。(でも、一体どういう伝説なんだろう!?)ドライバーもリス族村に一泊の予定が急遽チェンライまで修理に向かう。お世話になるリス族のアリさんの家では民族衣装で着飾った子供たちが集まり、リス族の大晦日の踊りを披露してくれる。素朴な踊りだが衣装はきらびやかだ。
そして晩御飯はリス族のお正月に欠かせないご馳走のブタ。ガイドさんがそれを使って、観光客向けに色々な料理を薄味でつくってくれる。かなりおいしい黒ブタだ。この辺の山の中では普通黒豚だ。そして、特に放し飼いにしているものは山ブタと言って、山の中に勝手に入っていってエサをあさっている。(逃げられると大騒動になるらしい。私にはどこから逃げたと判断するのか疑問なのだが・・・)そして脂肪分になんとも言えない甘みがある。日本でも最近話題となった、スペインでイベリコ豚も食べたことがあるが、あえて私見で比べると、野趣味のあるこちらのブタに軍配があがる。それぐらいおいしい。でもこれは特別。そうそうここまでのブタは味わったことがない。やはりお正月ということだろうか。そして、ここはやっぱり山の中のリス族村、まだブタの毛がお肉に少し残っていた。(でもまたこの皮のところがおいしい!)
ごはんの時に出してくれたもう一つ特筆すべきが、お酒。リス族村で醸造した米焼酎だ。これが、とにかくおいしい。汚い使い古しのペットボトルに入っていたので何かと思ったが、注がれて飲んでみると、無色透明でお酒自体は若いようだが、沖縄の上等な泡盛にそっくりの風味(匂いも)。そしてかなり強めの度数のようだが、口当たりも良くいくらでも飲める。(あぶない、あぶない。気づくと腰がたたなくなるパターンのお酒だ。)
泡盛自体、もともとタイから伝わったことはよく知られているが、通常売っているメコンなどと比べても理解不能だが、このリス族のお酒にはルーツを思わせるものがあった。ただ残念なのは、タイの酒税法でリス族村の外に持ち出して販売するのは不可だとか・・・。またお正月のリス族のお神酒でもあるので、いつもあるものでもないようです。
そして、夜も更けてくると、真っ暗なリス族村の広場に明かりを灯して踊りが始まります。リス族の笛吹きを先頭にご神木を囲んで輪になって踊ります。闇夜にリス族の村人が民族衣装で正装して総出で踊る様は幻想的で圧巻です。
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ちょっと汚いペットボトルがリス族自家製の焼酎です
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元旦
午前中、山の上に造られた簡易な社に神様を呼びに行くそうです。リス族村から山道を30分ほど歩いて登っていくと、広場になったところに出ます。でも、広場に入る前に、ますはお清め。腕にお香のような香る水を塗られます。
そして広場には、何本かの木とその前に建てられた簡易な社が数箇所。(社は女人禁制だそうです。)そして一本の神木を囲んで民族衣装で着飾ったリス族の人々がすでに踊りだしています。メインの社には沢山のお供え物もすでにあげられていて、内容は、昨日の焼酎(御神酒)、餅、破魔矢のような棒と紙を組み合わせて作られたもの。そして、何故かお線香(ただし、火はつけません。)、それに黄色いローソク。また、ある神木には象の置物。後半部分はタイ仏教の影響でしょうか。日本の神道に似た部分が見受けられます。アニミズム自体がこういうものなのか、日本の神道とリス族のアニミズム間に何らかのつながりがあるのかは謎です。
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これがリス族の社!?
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リス族のお供え物各種
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午前中、木の周りを、今日はギターのような弦楽器(リス族のギター弾き!?)を先頭にして踊り、それぞれが持ってきた爆竹(かなり強烈なヤツです。)を鳴らしたりしたあと、リス族の人達みんなで村に神様を連れて帰ります。
お供え物は日本同様、縁起物として持ち帰り皆で飲食します。
そして、リス族村の学校の校庭に造られたご神木の周りを村人皆でまた踊るらしいのですが、私たちは残念ながらタイムオーバー。お世話になったリス族のアリさんにお礼を言い、そこらへんに生っている美味しそうなパパイヤをお土産にもらいリス族村を後にしました。
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森の中のカラフルな人達。リス族が「森の妖精」と呼ばれる所以でしょうか
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リス族の校庭に据付けられたご神木
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また、このリス族村は同化政策が取られているようで、本では読んだことがありましたが、見るのは初めてでした。
まず、村長はタイ人の行政官。そして、学校があり、教師はバンコクから派遣されてくるタイ人で警察官でもあります。そして、神官はリス族で長老(実際のリス族のまとめ役ですね)です。
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リス族の神官
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もちろん、この村にも、タイの法律とリス族の掟とが存在します。時には衝突することもあるでしょう。それでも少なくともこのような体制をとっていれば、お互いを知る余地は生まれてきます。
実際この村は他のリス族村と比べても外部に対して理解があるようです。厳しいリス族村だと、祭りの期間は部外者立ち入り禁止。また、入れてもらえても非公開だったり、まして、写真を撮るなんて!という場合もあるようです。
諸手を挙げてこれが良いと言い切れるものでもありませんが(文化的侵略と見る向きもありましょうが)、私が見た、いくつかの少数民族を擁する他の国よりは、このリス族の事例は良い方だと思います。
このような統治をすることによって、リス族などの少数民族を擁する他の国に比べてタイ政府が比較的上手に折り合っているとも言えそうです。
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